土・肥料の豆知識knowledge

肥料の役割

野菜や植物が育つには、土と水だけでなく養分が必要です。その必要な栄養分を肥料で補い、野菜や植物が健康に成長する手助けをします。野菜の種類によって与える肥料も変わるため、目的にあった使い分けが大切です。


土を柔らかくする役割

堆肥と言われており、牛糞や腐葉土など、有機物を微生物によって完全に分解した肥料のことを言います。堆肥が土中に含まれていると、さまざまな微生物の活動が活発になり、野菜の根の生育や肥料の吸収を助けます。

野菜に栄養を補給する役割

一般的に野菜を作るための肥料です。野菜の成長に必要な栄養素のうち、特に不可欠な3要素の、窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)。これらを適切なタイミングで適量を与えることで、野菜は順調に成長し、十分な収穫を得ることができます。

酸性度を調整するための役割

石灰と呼ばれるもので、消石灰・苦土石灰・カキ殻石灰などがあります。多くの野菜は弱酸性の土壌を好みますが、日本では酸性土壌であることが多いです。そのため、土づくりのときにアルカリ性の石灰をまくことで、土壌の酸性度を調整することが大切になります。

肥料として必要な要素

植物の生育には養分が必要ですが、その養分の大半は土の中に含まれています。
しかし、土の中から吸収できる養分が植物の生育要求より不足している必須要素については、植物の生育促進と収量増大のために、肥料として人工的に与える必要があります。肥料の3要素であるNPK以外にも、植物の生育に必要とされる要素には以下のものがあります。

必須要素

酸素(O) 呼吸作用上必要不可欠な要素です。デンプン、脂肪、タンパク質、繊維等の植物構成成分中の主要元素です。
水素(H) 水として植物体内中のあらゆる生理作用に関与します。また酸素同様に、多くの有機化合物の構成元素です。
炭素(CN) 酸素同様に、多くの有機化合物の構成元素です。施設園芸などでは炭酸ガス施用が効果のある場合あります。
カルシウム(Ca) 植物の細胞と細胞を強固に結びつける働きや根の正常な発育にとって欠かせない成分です。土の中ではアルカリ性を示すため、酸性の土を中和するのにも役立ちます。
マグネシウム(Mg) 植物が光合成をするときに必要な葉緑素の重要な構成成分です。脂肪の生成にも関与します。
硫黄(S) 植物体中の酸化、還元や、生長の調整などの生理作用に関与します。不足すると植物は十分に生育できなくなり、新葉より古い葉が顕著に黄色となる欠乏症状が認められます。
鉄(Fe) 緑素の生成を助ける大切な成分で、たんぱく質の生成や呼吸作用に関与します。また代謝や呼吸に関わる酵素の構成成分でもあります。植物にとっての微量要素なので必要量は極わずかですが、健全な生育には必要不可欠な重要な元素のひとつです。

微量要素

マンガン(Mn) 光合成、特に酸化還元反応系の酵素にその働きを促進します。また、タンパク質の合成を助けます。
ホウ素(Bn) 糖、デンプンの転流、窒素リンの代謝、タンパク質合成や水分、炭水化物、窒素代謝に関与します。また酵素作用を活性化させます。
亜鉛(Zn) 植物体内の各種酵素の構成成分であり、タンパク質の合成、子実の生成、成長ホルモン等に関与します。
モリブデン(Mo) 各種タンパク質の生成、酵素系、窒素代謝に役立ちます。また根粒菌(土壌中の窒素を固定して植物に供給する共生菌)の生育を助ける働きもあります。
銅(Cu) 酵素系、タンパク質、葉緑素の生成等に関与します。
塩素(Cl) 光合成、糖の転流、病気の抑制、作物の成熟等に関与します。

有用要素

ケイ素(Si) 植物の必須要素ではありませんが、イネ科植物、特に稲の珪化細胞が増加し、 大病、対虫性を高める有用な元素です。また茎葉が丈夫になり、対倒伏性が増大します。

肥料の3要素 NPKとは

植物の成長に欠かせない要素に、窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)の3つがあります。これらは肥料の3要素と呼ばれており、葉や茎を丈夫にしたり、収穫量の増加等の重要な働きをします。植物が一度に吸収できる量は限られており、バランスよくそれぞれ栄養を摂取することで成長しますので、与え過ぎには注意してください。NPKの各成分には、それぞれの効果があります。


N(窒素)

「葉肥」と言われており、主に植物を大きく成長させる事に、必要不可欠な栄養素です。窒素が不足すると、作物は生育不良となり、葉は淡緑色になって元気がなくなりますので、植物が生育している間、どの時期においても必要です。しかし、窒素肥料ばかり与えていると、今度は栄養生長(体が大きくなる)ばかりになり、花や実が付きにくくなってしまいます。花や実をつけるような時期には量を減らしましょう。

P(リン酸)

「実肥」や「花肥」と言われ、植物の花や果実の成長と収穫量を助け、主に生殖成長を促す栄養素です。リン酸は土壌や大気にも存在していますが、植物にとっては比較的吸収しにくい肥料なので、生育初期の元肥時期に施肥する必要があります。また、光合成や細胞分裂にも影響するため、不足すると成長が止まってしまうこともあります。

K(カリウム)

「根肥」と言われ、植物の根や植物全体の組織形成に大きな役割を果たします。カリウムは土壌や大気には殆ど存在しない元素ですので、カリウムを含む肥料を施肥する必要があります。リン酸同様に、組織を丈夫にしてくれるため、耐病虫害性、耐寒・耐暑性にも効果があり、品質の向上にも役立つ肥料です。


使用用途に合わせて割合を選びましょう。

窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)の3つを含んだ肥料を複合肥料と呼びます。窒素・リン酸・カリウムのNーPーKのように記載されています。例えば9-9-9はそれぞれが9%ずつ含まれていることを意味し、合計が30%以上のものは「高度化成肥料」と呼ばれます。使用用途によって、それぞれの割合が変わってきます。

■ 水平型

3成分が均等に含まれており、元肥として使いやすい。

■ 上がり平型

窒素が少なく、マメ科の作物に向いている。その他にも高冷地向きのリン酸成分が多いタイプ等、様々な種類があります。

微量要素

3要素の他に「微量要素」という栄養素もあります。これは、植物にとっては微量あれば十分な肥料成分の事です。人で言うと「ビタミン」のようなものです。微量要素は、欠乏すると「要素欠乏症」を引き起こすので、植物にとっては必要な栄養素です。

植物と土・肥料の関係

植物にとって土は、「家」です。排水の悪い土、排水が強すぎて保水しない土、硬く根が伸びない土、重金属を含んだ土、このような土では植物は元気に成長できません。肥料と同じくらいとても大切なので、土壌改良に気遣う事が大切でしょう。


肥料

植物にとって肥料は、「栄養源」です。植物は肥料を吸収して成長します。人がご飯を食べないと衰弱するように、植物も肥料が無くなれば葉が黄色くなり、衰弱していきます。また、人が成長し、幼少期~成人~高齢に従ってご飯を食べる量が減ったり増えたりするのと同じように、植物も成長の時期 により肥料の量が変わります。各時期に合わせて適切に肥料(ご飯)を与えましょう。

人が成長するにあたって、食べると言う行為は必要不可欠です。お米や野菜などから栄養分を取って成長するように、植物も地中に伸びた根から栄養分を吸収して成長していきます。自然界では、動物や昆虫のフンや死骸、また落ち葉などが腐って植物の栄養分となります。それによって成長した植物が、再び動物や昆虫のエサになるという循環が行われています。

野生の植物は、わずかな栄養分でも育ちますが、プランターのような限られた土の中や、手入れのされた観賞用の庭では自然との循環が断ち切られ、植物が育つための栄養分が不足してしまいます。大きな花や実を付けるように改良された園芸品種は多量の栄養分が必要なため、不足すると生長不良になり、花や実も貧弱になります。これを補うために与えるものが肥料です。

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